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平成16年度の主な鑑定評価の実績

自用の建物およびその敷地
平成16年5月

医療法人が他の法人から賃借して医業を営んでいる診療所を買い取るにあたっての適正な時価を求めるもの。

住宅や事務所建物等にはない特殊な仕様を含む事が特徴。例えば、レイ-プロットというような他の建物では聞き慣れない資材があり、「建設物価」の索引欄で調べたところ放射線防護材の一種との事。確かにX線室で使われており納得。

底地
平成16年6月

底地(借地権の目的となっている土地)を借地人に売却するにあたっての適正な対価を求めるもの。

先代からの借地で地代が著しく低額であったが、これは評価対象地に限った事ではなく、地域の一般的な傾向。地域の慣行的な底地割合(借地権割合)がポイントとなった事案。

区分所有建物およびその敷地
平成16年7月

建物の専有部分と敷地の共有持分とが符合せず、「敷地権」の表示がない、分離処分が可能なマンションの経済価値を求めるもの。

敷地が分有となっているマンションに関する事例がないため、通常のマンションとの価格差をいかに把握するかが焦点。現在の使用方法を前提とした収益価格と、敷地権のある通常のマンションを想定した場合の収益価格を比較して、その価格差を査定。このように収益還元法が有効に機能した典型的な事案。

継続賃料
平成16年9月

同一目的で継続中の賃貸借契約における現行の地代を改定するための鑑定評価。

病院という用途的特質から、周辺の賃料が現行賃料より低額であるからといって他に移転する事が事実上考えられず、改定にあたってはこのような事情を十分斟酌する事がポイントとなる。ただ、この件では、前回賃料改定時、つまり現行賃料を決定する段階で、すでに当時の新規賃料水準で合意していたものと判明したため、その後の新規賃料水準の変動率程度で妥結する事が合理的である旨提示した。

農地 ~牧場の評価~
平成16年11月

結果として農地の価格に牧場にするために必要な造成費を加算して評価額を決定したが、収益価格を試算するにあたって、飼養されている牛が乳牛(雌)、したがって、酪農経営なのか、乳用雄(ホルスタイン種もしくはF1)、したがって、肉用牛の肥育経営なのか迷った事が印象深い。結局、両方試算したが、酪農経営の方が高い価格が得られた。実情まで調査したわけではなく、あくまで試算結果にすぎないが、肥育経営の場合、特に市場に提供出来る体になるまでの肥育期間が長い事が影響しているようである。

温泉利用権
平成16年12月

温泉利用権の売買事例が収集出来ず取引事例比較法は断念。原価法は、源泉を再調達、すなわち、現在の源泉のある土地を、新たに源泉が湧出するまで掘削し、揚湯するのに要する費用を積算して求める事になるが、掘削技術の進展により深さが変わらなければ、どの地域でもほとんど同額で試算されるのが難点。したがって、評価対象となる源泉の利用を前提とした日帰り温泉施設の経営に基づく純収益を還元して求める収益還元法が決め手となる事案。

新規賃料
平成17年3月

同規模、同一用途の賃貸借事例に乏しく、積算法によらざるを得ない事案で、土地および建物の価格(基礎価格)に乗ずる期待利回りの把握が焦点。類似の用途の賃貸借事例を多数収集し、その事例に係る利回り(比準利回り)を重視した。

自用の建物およびその敷地
平成17年3月

企業付属の保養所の経済価値を求めるための鑑定評価。

土地の3分の2程度が法面(崖地)であり、法面部分の経済価値をどの程度と判定すべきかがポイントとなった事案。海側を向き、眺望が良く、樹木は植樹であり、散策可能な状態に手入れが行き届いているなど、保養所(宅地部分)の効用を高める貢献度が大であるため、崖地に関する各種評価基準を参考に、平坦地との価格バランスに留意し、その経済価値を査定した。