ある地域における標準的な土地の面積が40坪、取引価格の水準が坪当たり単価55万円とすると、総額2,200万円が標準的な土地の価値です。これより多くの費用をかけて購入出来るユーザーは限られてくるので、確実に販売する事を考えた場合、面積の大きな土地については、分筆等を行って、標準的な40坪程度の土地に分割する事が合理的です。仮に200坪の土地があるとして、これを5筆に分筆して販売する事を考えてみましょう。
この場合、間口が広い整形な土地(例えば間口40m、奥行約16.5m)であれば容易に分筆出来ますので、供給者は、分筆測量および登記に要する費用を負担する程度で済みます。分筆後のそれぞれの画地は、1筆あたり2,200万円で販売出来ますので、5筆で1億1,000万円となり、この価格に対して必要な費用、販売可能になるまでのタイム・ラグ等を考慮しても、200坪の土地について生じる価値の低下はわずかなものであると考えられます。
一方、同様に整形な土地であっても、間口に対して奥行が長い土地の場合、これを標準的な面積の土地に分筆するためには、進入路を築造するか、もしくは一筆又は数筆を袋地にせざるを得なくなります。この場合、進入路部分だけ有効宅地面積が減少する、進入路の築造費が必要となる、あるいは、一部袋地が出来るという理由から、当該土地の価値は低下する事になります。さらに面積が大きくなると、法令上公園等の確保が要求されるほか、造成費等が多額になるため借入金の利子等の負担が増加する、販売戸数の増加によって完売までのタイム・ラグが大きくなり、相当の未収入期間を考慮する必要が生じる、将来における金利の上昇、販売価格の低下等のリスクを負うなど、評価時点における当該不動産の価値は一般にさらに低く査定される事になります。
このように、面積の大きな土地について減価が生ずる場合について、その割合を査定するにあたっては、個々の不動産ごとに、その利用が阻害される程度等を適正に把握する必要があります。このほか、土地の所在する地域がマンション等の需要が十分に見込まれる地域であれば、その敷地として有効利用が可能ですから、面積が大きい事に伴う減価要因は低く、むしろ、間口が狭小で奥行が長大な土地等よりも価値が高い場合も考えられます。
したがって、不動産の価値を把握するにあたっては、その不動産がどのような地域に存するかを分析する事も重要な要素となります。