消費税の概要

消費税等(地方消費税を含む)の課税と納税の基本的な流れ

消費税は売上げの4%、地方消費税は国税である消費税額の25%(結果的には売上の1%)です。(合計5%)

※以下の説明等において「消費税等」を「消費税」と言う

消費税額= 課税期間の課税売上げに係る消費税額(仮受消費税)
-課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額(仮払い消費税)

※消費税を負担するものは消費者であり、消費税を納める義務を負うもの(納税義務者)は事業者である

消費税が課税される取引とされない取引の区分

課税取引

事業者が事業として対価を得て行う
資産の譲渡
資産の貸付消費税の課税対象
サービスの提供

非課税取引

税の性質から課税対象とするに馴染まないもの
土地の譲渡・貸付、利子保険料、商品券等
社会政策的な配慮に基づくもの
住宅の貸付け

免税取引

輸出取引等

不課税取引

事業として行われるものでない取引等
移転補償費、反対給付としての対価性を有しない取引
国外取引

※事業とは、反復、継続かつ独立して遂行する事を言う

消費税を納める者

消費税の課税対象とされる資産の譲渡、貸付け、サービスの提供を行った事業者。(個人事業者、法人)

消費税を納める者の分類

※1 基準期間 個人事業者についてはその年の前々年、法人については事業年度の前々事業年度
※2 課税売上高 消費税が課税される取引の売上金額(消費税を除いた額)
課税仕入額 事業として他から資産の譲り受け、借り受け、役務の提供を受け支払われた金額(消費税を除いた額)
※3 課税売上割合
課税期間の課税売上高(税抜き)

課税期間中の総売上高(税抜き)

※総売上高とは、非課税売上高は含むが不課税取引等は含まない

仮受消費税と仮払消費税

仮受消費税(売上げにかかる消費税)

事業者が、イ)資産の譲渡、ロ)資産の貸付、ハ)サービスの提供を行った時、取引の相手方から消費税を預かりますが、これが仮受消費税です。

仮払消費税(仕入れに係る消費税)

事業者が、イ)資産の譲渡、ロ)資産の貸付、ハ)サービスの提供を受けた時(仕入れた時)、取引の相手方に消費税を支払いますが、これが仮払消費税です。

消費税納付額

消費税として実際に納税する金額は、課税期間中の売上げにかかる消費税額から同じ課税期間中の仕入れ代金などに含まれている消費税額を差し引いた金額となります。

消費税納付額=仮受消費税-仮払消費税

この仕入代金などに含まれている消費税を差し引く事を仕入税額控除といい、仕入れ税額控除出来る仕入れの事を消費税法では課税仕入れと言います。

消費税法でいう仕入れとは、商品の仕入れ、諸経費の支払い、設備の購入などを言います。

仕入控除の方法、仕入控除の可・不可が消費税のポイント

事業者の会計処理の方式

事業者が企業会計の収支決算等を行う場合の消費税の取り扱いの方式には次の2つの方式があります。

税込経理方式
消費税等を売上高および仕入高に含めて処理する方法
税抜経理方式
消費税等を売上高および仕入高に含めないで区分して処理する方法

営業補償算定上の注意

事業者と消費税

免税事業者と消費税

基準期間の課税売上高が3,000万円以下である事業者もしくは新規事業者(但し、資本出資金額が1千万円以上の事業者を除く)は届出をしなくても、その課税期間の納税義務が免除される。納税義務が免除されているため仕入税額控除の適用は受けられない。ただし、免税事業者であっても選択により消費税の納税義務者になる事が出来る。この場合、「消費税課税事業者選択届出書」の提出により、課税事業者となり消費税の納税義務が発生するが、仕入税額控除の適用も受けられる。免税事業者が課税事業者を選択した場合には、2年間は免税事業者に戻る事は出来ない。その後、課税事業者をやめる時は、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する。

モデル例「輸出業者が免税事業者の場合と課税事業者の場合」

免税事業者であった場合

消費税納付額=0円(免税事業者であるため納付する必要はない。)

※納税義務が免除=仕入税額控除は出来ない

課税事業者であった場合

消費税納付額=(輸出取引=免税取引であるため納付する必要はない。)

0円-100万円(課税事業者であるため仕入税額控除が出来る。)

※消費税の還付額=100万円還付

簡易課税選択業者と消費税

実際の仕入税額を計算せずに課税売上げの一定割合を課税仕入れとみなして控除額を計算し、納税すべき消費税額を求める制度。

  • 基準期間の課税売上高が2億円以下の事業者
  • 「簡易課税制度選択届出書」を提出し、簡易課税制度を適用
  • 2年間継続の必要性があり

みなし仕入率

  • 第1種事業…卸売業→90%
  • 第2種事業…小売業→80%
  • 第3種事業…製造業→70%
  • 第4種事業…その他→60%
  • 第5種事業…サービス業等→50%

兼業は第1種~第5種の事業に区分して、それぞれの仕入率を適用する。1種類の事業が全体の売上げの75%以上を占める場合は、その事業の仕入率を適用出来る。

モデル例「簡易課税制度を選択した小売業者の場合」

課税売上割合 = 9,000万円
みなし仕入 = 9,000万円×80%(小売業) =7,200万円
消費税納付額 = (9,000万円×5%) -(7,200万円×5%) =90万円
450万円 360万円

原則課税選択業者と消費税

消費税納付額= 課税売上げに対応する消費税
- 課税売上げに対応する課税仕入等に係る消費税額

原則的には消費税の納付額は、課税売上げに対応する仕入税額(仮払消費税)だけを控除した額である。よって、原則として事業者の納付すべき消費税の算出にあたっては、課税売上げに対応する仕入税額(仮払消費税)と非課税売上げに対応する仕入税額(仮払消費税)に区分する必要があります。

課税売上割合95%以上の場合

一般の事業者は、課税売上げが大部分で非課税売上げの占める割合が少ないのが大部分であり、そこで課税売上割合が95%以上であれば、全て仕入税額控除出来る事とされています。

モデル例「課税売上割合95%以上の小売業兼アパート経営業者の場合」

課税売上割合=
課税売上高20,000万円
≒95.2%(95%以上)

課税売上高20,000万円
+非課税売上高1,000万円
仮受消費税= 1,000万円
仮払消費税= 760万円
消費税納付額= 1,000万円-760万円=240万円
課税売上割合95%未満で個別対応方式の場合

個別対応方式は、仕入れ等に含まれている消費税額を、

(1)課税売上げに対応する消費税

(2)非課税売上げに対応する消費税

(3)課税売上げと非課税売上げの双方に対応する消費税

に分類し、次により仕入税額控除額を算出する。

(4)課税売上げに対応する消費税は全額控除対象となる。

(5)非課税売上げに対応する消費税は全額控除対象とならない。

(6)課税売上げと非課税売上げの双方に対応する消費税はそれぞれの売上高の割合に相当する消費税額を算出し、課税売上げに対応する消費税額は控除対象となる。

(7)課税売上げと非課税売上げの双方に対応する消費税はそれぞれの売上高の割合に相当する消費税額を算出し、非課税売上げに対応する消費税額は控除対象とならない。

※仕入れ税額控除額=(4)+(6)

消費税納付額=課税売上げに対応する消費税-仕入税額控除額

モデル「課税売上高95%未満で個別対応方式の小売業兼アパート経営業者の場合」

課税売上割合=
20,000万円
=90.9%(95%未満)

20,000万円+2,000万円
仮受消費税= 1,000万円
仕入税額控除額= 700万円+(75万円×90.9%) =768.2万円
消費税納付額= 1,000万円-768.2万円 =231.8万円

※非課税売上げに対応する仕入にかかる消費税(5)(7)は控除されない。

課税売上割合95%未満で一括比例配分方式の場合

一括比例配分方式は、仕入れ等に含まれている消費税額を課税売上割合で一括按分して求める方式。

※仕入れ税額控除額=仕入れにかかる消費税の合計額×課税売上割合

消費税納付額=課税売上げに対応する消費税-仕入税額控除額

この方法は課税仕入れを売上げの種類ごとに区分しない一種の簡便的な方法と言える。

※一括比例配分方式を採用した事業者は2年間継続適用が必要である。

個別対応方式が有利となっても任意に変更出来ない。逆に個別対応方式から一括比例配分方式への変更は任意に可能である。

モデル「課税売上高95%未満で一括比例配分方式の小売業兼アパート経営業者の場合」

課税売上割合=
20,000万円
=90.9%(95%未満)

20,000万円+2,000万円
仮受消費税= 1,000万円
仕入税額控除額(700万円+75万円+40万円)×90.9%=740.8万円
消費税納付額= 1,000万円-740.8万円=259.2万円