仏像

概要

仏像は、幅7.5m、奥行6.0m、高さ8.3mの鉄筋コンクリート造であり、像の存する近隣地域のシンボルである。信仰心が薄らいでいる近年の世相を反映して、参拝者の数は以前に比し減少したとはいうものの、休日には自然遊歩道にも指定され市民の憩いの場として、家族連れ等の人々でかなりの賑わいをみせています。ただし、本像は現在同地域に居住する個人の所有であり、これは所有者の先祖によって建立されたものである。

補償の方法について

  • 一般補償基準かそれとも公共補償基準の対象とするかについて
  • 移転工法等補償方法について

その他、所有者から起業者への申出事項として、

  • 像の管理を起業者に引き受けて頂きたい。
  • 自らの手で像に鎚を入れるなどといった事は先祖に申し訳なく、起業者側で解体して頂きたい。

等一般補償の対象とするか、公共補償とするかについて、像が公共施設に類するものといえるかどうかが、その決定の最大のポイントとなるものと考える。

像が村落共同体その他の地縁的性格を有するとはいうものの、所有者が個人である事から一般補償の対象としたものである。

移転工法について

除却工法

本像は、地域のシンボルとはいえ参拝者は少なく、その維持管理についても所有者個人では思うにまかせない状況であり、一部破損も見受けられる。

したがって、「従前の機能を回復する事が著しく困難となり、かつ従前の生活の復元が困難となると認められる時」(用対連細則第15の1の(2)の九)にはあたらないものと判断され、除却工法が妥当な移転工法といえる。

除却工法による移転料=現在価格+取りこわし工事費-発生材価格

解体移転工法、曳家工法については、トラッククレーン等重機の搬入が困難な地形にある事および推定の重量が150トンである事に加え、昭和初期に建立された鉄筋コンクリート造で強度等の観点から曳工事等は不可能であった。

建物等の取得

基準28条(移転困難な場合の建物等の取得)によれば、「建物等を移転する事が著しく困難である時又は…当該建物等の所有者の請求により、当該建物等を取得するものとする。」とあり、本像のような文化的および観光的施設の場合、起業者が本像を取得し管理する事を所有者が申し出た。

しかし、対象が宗教的色彩を有するがために、社会的および行政的観点より取得は困難と判断した。

解体工事施工者

対象の仏像の解体工事について、工事受注者が問題となった。地元の建設業者はこの工事を受注する事に宗教心が薄れた時代とはいえ、いわゆる「たたり」を恐れ、ためらいがあった。また、起業者担当も仏像の取り扱し作業に加わる事に消極的となっていた。

そこで、社寺仏閣専門業者(いわゆる宮大工)に相談をした結果、その業者が解体工事を受注する事となった。