お茶畑を公共用地で取得する場合、通常考えられる補償としては、土地代金と茶樹の補償です。しかし、農業の中でも茶業の持つ特徴や茶業経営上から、茶業経営に著しい影響が生じるとの懸念が考えられます。
茶は他の農産物とは異なり、生葉生産から一次加工(荒茶)、二次加工(仕上)を経て初めて商品となる作物である。
また、茶業は土地利用型の農業であり、経営規模は、ほ場条件の整備や機械化の程度、摘採時期の長短により経営規模が決まる。茶の品質は、自然条件や摘採方法によって開きがあり、小規模でも高収益が期待出来る集約的な性格もあわせ持っている。
生葉は、摘採後品質が著しく変化するため、すみやかに加工する必要があり、このため生葉生産と荒茶加工は強い結びつきを持っている。荒茶加工施設は多額な投資が必要で、摘採と荒茶加工が同一時期で労働が集中するため、農業の中でも特に共同や分業が進んでいる。
茶業の経営は、大きく分類すると次のようになる。
荒茶工場の企業形態は、分類すると次のようになる。
茶の生葉は、その性質から生葉生産と荒茶加工の一体としてその地域の茶業が形成されているため、通常、支障となる生葉はその地域のどこかの茶工場で加工し、荒茶にされます。
農業経営は、土地利用型農業経営と企業的施設型農業経営の2つに分けた場合、自園自製農家は企業的施設型農業経営であり、生葉の減少は他に生葉を確保しなければ茶工場施設は遊休化してしまう事になります。茶農協(茶園型茶農家)の場合でも、自園自製農家と同様、共同工場が遊休化し、それが荒茶加工経費に跳ね返り、組合員への生葉還元単価の低下となって、各組合員が影響を受ける事になります。
また茶農協組織は、相互扶助の精神で助け合い協力しあって工場を支えており、影響が大きければ組合運営に多大な影響を与えかねません。
回避の方法は、茶園が買収される事により収穫する生葉が減少して発生してくるものであるため、茶工場で加工する生葉を獲得すれば良い事になります。
生葉獲得の方法は、
しかし、それぞれの方法には問題もあり、生葉を買って獲得するか、収穫可能な畑ごと獲得する場合、
茶園以外の畑を獲得し、苗木から茶樹を育成し、成園にする方法は、茶樹育成に7年程度必要であり、その間は生葉が得られません。
農地が支障してその関連する施設や加盟している茶農協などに対して補償する場合は慎重にすべきと考えます。しかし、その影響が避けられず、著しく補償すべき損失と判断した場合は補償する事になります。
補償すると決めても、どこまで補償するか、方法はどうするかなどの問題がありますが、茶業経営の実態を良く把握分析し、判断します。