概要
移転対象となった施設は、1階にA社がゲームセンター、ビリヤードコーナーおよびカラオケルームを営業し、2、3階にB社がボウリング場(各階52レーン)を営業している複合レジャー施設である。また、郊外型店舗である事から、建物周囲に平面駐車場(219台)を擁する。営業時間は、A社部分が24時間営業、B社部分が17時から翌朝4時までとなっている。公共用地の取得に伴い直接支障する施設は、建物の一部および駐車場の大部分(172台、約80%)である。
移転工法を考える上での留意事項
- 建物
- レーン等の長さに規程がある事から梁間(36m)の確保
- 設備
- 1フロアーのレーン数は偶数とする
- 駐車場
- 現況駐車台数の確保
移転工法の検討
上記の留意事項を考慮し移転工法を検討する。
- 建物-除却工法、駐車場-自走式立体駐車場の新設、営業補償-規模縮小補償
- 建物-曳家工法、駐車場-平面駐車場、営業補償-休止補償
- 建物-構内再築工法、駐車場-自走式立体駐車場の新設、営業補償-休止補償
- 建物-構外再築工法、駐車場-平面駐車場、営業補償-休止補償
以上について、有形的、機能的、経済的、法制的および駐車場の確保等について検討した結果、構外再築工法と認定した。
移転工法決定までの問題点
- A社とB社を分離して考えて良いか
- 例えばA社構うち、B社構外とした場合、A社+B社で集客力があったのではないか?
- 除却工法とした場合の規模縮小補償について
- 損益分岐点内であれば何でも規模縮小補償で良いのか?
- レーン数が多い事により集客力があったのではないか?
- 移転先を構外とした場合
- 現実問題として、現況同様の立地条件および面積の土地が確保出来るのか?
- 1フロアー52レーンを保持しなければならないか
- 1フロアー36レ-ン×3フロアーでは機能回復とはならないか?
- 必要駐車台数の認定方法について
- A社とB社それぞれで考える必要があるのか?
- 駐車場形態の変更について
- 現況平面駐車場を機械式立体駐車場および自走式立体駐車場に変更した場合、現実的に売り上げ高は減少するのか?
- ボウリング設備について
- ボウリング設備機器メーカーは、AMF(エーエムエフボウリングインク)社とBRUNSWICK(日本ブランズウィック株式会社)社の2社しかない事から、専門業者2社以上の見積もり徴収は不可能(通常どちらか1社となる)。ただし、コンピュータ設備についてはodtvetti(日本オリベッティ株式会社)社もある。ボウリング設備は、ほぼ全ての施設(レーンについても)が移設可能。ただし、休止期間が長期間になる。
以上のように工法決定までの間にさまざまな問題点があり、起業者と何度も議論を重ね決定工法に至った。
ボウリング場自体の調査積算は、建物がとにかく大きいこと(対象建物は延べ面積約12,000m²と、ボウリング設備機器の見積もりが2社徴収出来ないこと等が苦労した点で、今事例の場合駐車場の確保が一番の問題点であった。