川は、高度成長期時代から近年まで、人の手が入って魚が住みにくくなってきました。その代わり、大雨が降るたびに氾濫するような怖い川が少なくなりました。生活が豊かになって、生活にゆとりを求めるようになってくると、昔のような手の加えられていない自然な川を懐かしむ感情がわいて来るようになりました。
これは、今の川が氾濫しにくくなっているから、特に自然の復活が望まれるもので、自然のみで、氾濫が頻発するようでは洪水氾濫防御が優先となってしまいます。安全性を確保しながら自然の豊かな川にしていく事が、今望まれている事なのです。それには、治水安全度を確保するため、現在の堤防や河川構造物を生かして自然を取り戻す事が重要です。
自然の豊かな川とは、元々そこに住んでいた魚や水生生物などが生活出来るような環境を取り戻す事です。その魚や水生生物が豊かな川の条件は、次のものがあり、これら全て必要なものです。
そのため、川における横断的な連携はもとより、縦断的な連携を確保する事が必要です。この中で特に避難場所の確保と回遊路の確保として必要となってくるのが、縦断的な連携をさえぎっている堰等における魚道の設置です。人間が安全に暮らせるために作った構造物のため、川を人工化してしまった、せめてもの償いとして、魚や水生生物が少しでも暮らしやすくするため、魚道を設置する必要があると考えます。
魚道には、数多くの形が考案されており、次のようなものがあります。
a.階段式
1.全面越流型

2.部分越流型
1.アイスハーバー型
2.ノルウェー型
b.バーチカルスロット式
c.潜孔式
a.デニール式
1.標準デニール型
2.アラスカスティープパス型
3.舟通し型

b.粗石付き斜曲面式

c.導流壁式
d.人工河道式
a.リフト式/エレベーター式
b.閘門(ロックゲート)式
1.閘門(ロックゲート式)
2.ボーランド型
c.ブレードレス・ポンプ(フィッシュポンプ)式
a.カルバート式
b.混合式(併用式)
c.ハイブリット式
魚道の選定には、川それぞれの対象魚や自然条件等を十分調査し、その川に合った種類を選択しなければなりません。また、魚道を造って終わりでなく、追跡調査を実施し、その魚道が有効に機能しているかを評価し、機能していないのであれば、機能するまで改良を続け、魚や水生生物が暮らしやすい環境を取り戻してあげる事が必要と考えます。
参考文献:魚道のはなし 中村俊六